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越前和紙(えちぜんわし)
【所在地】 福井県越前市   
【主製品】 奉書紙・半紙・生漉・半草鳥の子・漉込奉書・生漉奉書・檀紙・画仙紙・小間紙・局紙・表装用紙・襖紙・出版用紙
今から1500年ほど前、継体天皇が越前におられ、男大迹(おおとの)皇子と呼ばれていた頃、この村里の岡太(おかもと)川の上流に美しい姫が現れて「この地は清らかな水に恵まれているから、紙漉きをして生計を立てよ」と、紙漉きの技を里人に教えたといわれます。人々はこの姫を「川上御前」とあがめ奉り、岡太神社を建ててお祀りし、紙漉きの技を伝え今に至るといわれます。

越前和紙は、日本に紙が伝えられた4〜5世紀頃にはすでに優れた紙を漉いていたようです。正倉院文書の天平9年(737)『写経勘紙魁(しゃきょうかんしげ)』に「越経紙一千張薄」とあり、写経用紙として薄紙も納めていたので、すでに技術水準が高かったといえます。
平安時代には中男作物の紙を納め、中世には鳥子紙・奉書紙の名産地となっています。近世にはさらに檀紙の産地として名声を博し、最高品質を誇る紙の産地で、『雍州府志(ようしゅうふし)』は「越前鳥子是を以て紙の最となす」と讃え、『経済要録』には「凡そ貴重なる紙を出すは、越前国五箇村を以て日本第一とす」と評しています。

寛文元年(1661)に初めて藩札を漉き出したのも、明治新政府の太政官金札(だじょうかんきんさつ)用紙が漉かれたのもこの地です。また、横山大観始め、多くの芸術家の強い支持を得て、全国に越前和紙の名は知られています。長い歴史と伝統に育まれ、品質、種類、量共に、日本一の和紙産地として生産活動が続けられています。

模様の金具
現在組合員74名(従業員643名)を数える福井県和紙工業協同組合では、原料・資材の共同仕入れと供給、商品販売、共同処理施設提供等の事業を主に、伝統技術の保持と新技術の開発に取り組み、発展を期してきました。 組合員の生産状況は、手漉き・機械すきにより、襖壁紙類、小間紙類を中心に生産額も約70億円(手漉きは約11億円)となっています。

平成元年には7.1×4.3mの、手漉き和紙としては世界最大の「平成大紙」を漉き、当地の製紙技術水準の高さをアピールしました。 平成4年には紙祖神への崇敬と和紙の強靭さを示そうと、奉祝大祭記念の「紙祖神太鼓」を完成させました。これは胴径1.8m長さ2.5mの円筒形の型に、マニラアサと楮和紙を約200枚、厚さ約4cmまでコンニャク糊で張り付け、振動叩面には直径2.1mに純雁皮紙 16枚合わせで4枚重ね、締め紐も和紙を撚って縄をつくり、3ヶ月を要して仕上げた大作です。

町の施設として、コウゾ・ミツマタなどの和紙原料を始め、数々の文献、古紙や製品など、和紙の歴史にふれられる「和紙の里会館」、紙漉き、絵柄描きなどの和紙のできあがるまでの工程を体験でき、自分だけの和紙を漉く魅力と面白さが味わえる「パピルス館」、 250年前の「妻入り卯立(うだつ)」と呼ばれる、珍しい様式の建物を移築し、伝統工芸士らが昔ながらの道具を使って“本物”の和紙をつくるようすを見学できる「卯立の工芸館」があります。研修希望者は宿泊施設を利用して体験できるようになっています。