 |
上遠野の紙の歴史は永禄年間(1558〜1569)にさかのぼり、棚倉藩の奨励により江戸武家記録用紙として重宝されました。大福帳用紙の延紙(のべがみ)も著名で、古川古松軒の『東遊雑記』は上遠野紙業繁栄を記しています。
明治 20年頃には約600戸が生産していたといいます。現在は1軒となり、冬期間だけ漉いています。11月末より黒皮・白皮づくりを行ない、2月1日頃より漉き始めます。コウゾ、ミツマタだけを伝統的製法で漉いています。
遠野紙(2尺×3尺)はコウゾ100%の寒漉き未晒し紙です。コウゾを白皮処理し、ソーダ灰煮、手打ち、手漉き、天日乾燥という古来の製法で仕上げる紙は、優雅な光沢をもつ丈夫なものになります。 |
|