05.10.27up

・・・・・アワガミファクトリーが発行するニュースレター 2005 Autumn Vol.17 が届きました。
一部をご紹介します。・・・・・

パッケージデザイナー
イラストレーション
 鹿児島 蓉子さんの巻
プロフィール
神戸市在住。
(有)アゴストアーキスタジオ代表。

パッケージデザイナー、イラストレーションから織物までこなされる鹿児島蓉子さんのご紹介です。最近、「和紙帽子展」を終えられたばかりです。

Q1 和紙に興味を持たれるようになったきっかけは、なんですか?
大学の卒業制作の時、「鳥の子」という和紙を使ったのですが、「いい色で、いい風合いで、お値段も随分高い。」とびっくりしました。それが意識した始めで、その後富山で和紙工房を見学する機会があり、その時、美しい紙子を見て、描いたり書いたりするだけでなく、こんな使い方があるのだ、と知りました。
Q2 今回、和紙の帽子を作ろうと思ったきっかけは?
帽子の前に、和傘の袋を作ったのですが、張りがあって、水漏れに耐え、縫いやすいので、すぐにピンと来ました。色が豊富だから、服の色に合わせて楽しめるし。軽くて小さく折りたためて、持ち運びにも便利なんですよ。
Q3 実際に作られてみてどうでしたか?
楽しく作れました。昨夏は自分でも使ってみて、今回のは改良版です。ただ、自分サイズで作ったので大きさの工夫は必要だと思います。そんなに難しくないので、型紙さえあれば、小学生でも作れます。地元の小学生などが、自分の郷土の紙を使って、作ってくれるといいなぁ、と夢見ていますが。
Q4 今後チャレンジしたいこと、アイデアなどがありましたら、お聞かせください。
和紙には、「縫える」という大きな利点があるので、ベストやはっぴなども試してみたいです。印刷をしたり、好きな絵や字を書けば、二つと同じものがないものが出来ると思います。あと、椅子の座面シートに使いたいです。ビニールだと汗を吸い取らないですし、着物を着ていて気づいたのですが、座るとしわしわになるんです。また、作品づくりで残った和紙の切れ端等も、つないで糸状にし、縫ってみたいと考えています。
Q5 和紙に対する思いをお聞かせください。
気が付くと、私が興味を持つものは、和紙、織物など、日本の『糸へん』に関係するものばかりなんです。自分で地機(じばた)で着尺を織っているくらいですから。(本場、結城紬を織る機(はた)のこと)
表面のテクスチャーや、インクののり具合とかだけでなく、和紙のもつ「強さ、手触り、粘り、温かさ、すずしさ」といったことを、いかせるような使い方を、これからも工夫し学びたいと思います。

第四回
(最終回)
阿波和紙は、忌部族に育まれ、今に続いている。

阿波の紙漉は、文献で見る限りでは十五世紀までしか遡りませんが、正倉院の記録では、774年に紙の原料の産地として阿波の名前が書かれているので、忌部族を介在して、それ位まで遡る事が出来るのではないかと思います。紙を漉く環境は、きれいな水がある、原料がある、ということが要求されます。吉野川の支流は、どこも紙の産地でした。このような紙に関わる地名は、忌部が活躍した山川、木屋平、貞光、半田そして木頭とダブって位置しています。・・・という事は、「忌部が興した」と言うよりも、「育んできた」と言うのが適切かもしれません。忌部族が麻や楮を栽培して木綿や麻織物を制作していた、楮を紡いで太布を作った、このような伝統の上に、紙の需要が起こり、これらの原料が紙作りに利用出来る事がわかり、転用され紙を作った。多分その製法は中央の忌部が阿波に伝えたものと想像出来ます。いつ頃からか、忌部族の祭神天日鷲命(あめのひわしのみこと)は紙の始祖神として各地で祀られています。もし近在にあればご一報ください。
藤森洋一
アワガミワールドトピックス
5/15から4日間、ニューヨークで開催されたナショナルステーショナリーに出展しました。「雪花染め」「縞染め」「巻き書簡箋」「インクジェットペーパー」を新商品として紹介。一番の売れ筋は「染め紙」。カラフルな色目とアワガミらしい伝統的な柄が印象的だと多くの方からコメントを頂きました。カードのみを扱う会社がたくさん出展しており、アメリカではちょっとしたことでもカードを送る習慣を再認識。スクラップブッキングはすっかり定着している様子でした。アルバムの中紙やカードのデコレーションなどにアワガミの紙を使ってもらっているのを発見し、徳島から海を渡ってきたのだなぁとちょっと感激してしまいました。
(担当:藤森 彩)
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